佐渡共生科学センター
朱鷺・自然再生学研究施設HOME里山領域の研究・業務

センターについて

里山領域(旧朱鷺・自然再生学研究センター)の研究・業務

 センターは,これまでの研究実績をもとに,
  1)トキの再導入生物学の確立
  2)里地里山の生物多様性の解明と生態系の復元・管理手法の提案
  3)自然再生を実現する地域社会システムのための実証的研究・教育業務

 を実施します。

 研究においては,佐渡島で行われているトキの野生復帰を実現し,トキと共生する循環型社会システムの構築に関する研究をもとにした自然再生シナリオを,“佐渡モデル”として提案します。また,同時に,本州や稲作を行っているアジア地域において,地域の里地里山の生物多様性を復元するための研究を実施し,佐渡モデルと比較研究することで里地里山の自然再生に必要な要素を抽出し,学際的な環境科学としての里地里山の「自然再生学」の構築を目指します。

 また,学部・大学院教育を通して自然再生に必要な基礎的研究,技術開発を牽引する研究者を育成するとともに,具体的な手続きを含む自然再生のマスタープランを立案する自然再生プランナー,自然再生活動を現場で指揮・指導できる自然再生リーダー,さらに現場で手腕をふるう事のできる人材(アクター)を育成します。

 朱鷺の島環境再生リーダー養成ユニット(H22〜H26)で養成した地域の自然再生リーダーの能力を維持し,新たな自然再生を担う人材を育成するために,JST後継事業を実施しています。さらに,奥山の森林生態系の研究・教育を主体とする農学部付属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーションの教員,及び,里海を含む海域の研究・教育を主体とする理学部附属臨海実験所教員と協力しながら,センターは,里地里山の生物多様性,および,トキの野生復帰に関連する研究・教育を実施します。

研究目標
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 里地里山では,薪炭林や野焼きなど人が手を入ることによって植生の遷移を妨げ,二次草原や二次林を維持し,水田環境という人工湿地を維持することで,豊かな生物多様性を保ってきました。このような二次的な自然環境は,気候や地史,自然と共生した人間の生活によって長い時間をかけて維持されてきましたが,現在では広い範囲で失われてきて,里地里山に依存している野生生物は絶滅に瀕しています。里地里山の生物多様性を保全し,その生態系サービスを維持していくためには,将来にわたって持続可能な地域社会を維持しながら,人為的撹乱をかけ続ける必要があります。そのため,地域の自然再生学を確立するためには,地域の生物多様性の成り立ちを明らかにし,劣化した生態系の構造と機能を復元する手法を示し,それを維持するための社会システムの構築まで提案することが必要となります。このため,センターの目指す「自然再生学」では,第2の危機により衰退した里地里山の生態系・社会システムの復元が主な研究・実践対象となります。

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